レンタルサーバーにファイルをアップロードする際には、ほとんどの場合FTPソフトが必要となります。
FTPとは「File Transfer Protocol」の略で、FTPソフトとはファイルをサーバーに転送するソフト全般を指します。
どんな素敵なWebサイトを作ってもサーバーにファイルをアップロード(転送)しなければ、貴方以外の人は見ることが出来ません。
本記事ではレンタルサーバー(エックスサーバー)にFTPソフトでファイルを転送する方法を紹介していきたいと思います。
最後までお付き合いください!
サバサバ読める目次
FTPソフトの違いを知る
本題に入る前にまずはFTPソフトについてです。
FTPソフトにも様々なものがあります。
代表的なものでは「FFFTP」「FileZilla」「WinSCP」などでしょうか。
これらのFTPソフトで出来ることは一緒です。
ではどんな違いがあるかというと、
- 暗号化通信の違い
- 転送速度
- インターフェース
でしょう。
暗号化通信は今や当たり前となっている技術で、逆にこれが出来ない場合には非常に危険性の高いものと言えます。
また転送速度が速いソフトは沢山のファイルを同時に転送する場合に、非常に効率的と言えます。
FFFTP
Windowsに対応したFTPソフトです。
マスターパスワード機能がついていますが、通信プロトコルはFTPSのみの対応となっています。
一昔前はFFFTPが最も使いやすく知名度も高いFTPソフトでした。
個人が開発したソフトですが、開発自体は2011年に終了しています。
その後は有志により開発が続行されたものの、2017年に開発メンバーから開発を打ち切る旨の発表がありました。
FFFTPの開発終了に伴い一番懸念されていることは、虚弱性の修正問題です。
開発が終了すると修正パッチも配布されなくなりますので、今後虚弱性が発見された場合にも対応されることがありません。
これにより、現在FFFTPを利用しているユーザーは、他のFTPソフトへシフトする必要が出てきます。
インターフェースは2分割されていて、片方はローカル環境、もう片方はリモート環境となっています。
ドラッグアンドドロップでのファイル操作が可能で、非常に使いやすいものとなっているのが特徴です。
・Windowsに対応
・マスターパスワード機能あり
・通信プロトコルはFTPSのみ対応
・FFFTPは2017年に開発終了
FileZilla
クロスプラットフォーム対応型でMacやLinuxにも対応しているFTPソフトです。
インターフェースは2分割方式を採用しており、FFFTPと同じく直感的に操作することが可能となっています。
FileZillaの特徴としては、ファイルやフォルダーがツリー形式で表示されることが挙げられます。
使う人によってはツリー表示は非常に分かりやすく、慣れ親しんだ表示方法なだけに、多くのユーザーに支持されています。
また転送速度はFFFTPの2倍以上の速度となっており、転送するファイル数が多い場合にはFFFTPよりFileZillaが向いていると言えます。
FFFTPとは違い、FileZillaにはマスターパスワード機能は実装されていないので、セキュリティに関してはFFFTPに分があると言えるでしょう。
・MacやLinuxにも対応
・転送速度はFFFTPの2倍以上の速度
・マスターパスワード機能はない
WinSCP
こちらもWindows向けに開発されたFTPソフトです。
マスターパスワード機能がついている他、FTPS、SFTP、SCP全ての転送プロトコルに対応しています。
パッチも常に更新されており、セキュリティに関しても安心して使うことが出来ます。
また、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) にも対応しています。
・Windows向け
・マスターパスワード機能あり
・通信プロトコルはFTPS、SFTP、SCPに対応
・パッチも常に更新されている
・Amazon S3にも対応
FTPでファイルを転送する
ここからは実際にエックスサーバーでの転送方法について説明をしていきます。
FTPソフトをまだ持っていない方は予めFTPソフトを入手インストールしておいてください。
なお今回はWinSCPというFTPソフトで説明していきますので、FTPソフトを揃えていただいた方が分かりやすいかも知れません。
1.エックスサーバーでFTPアカウントを新規作成する
エックスサーバーは契約時に予めFTPアカウントも用意してくれています。
ただし、デフォルトで用意されているアカウントはマスターアカウントであり、最上位の階層まで変更可能になってしまうので複数のユーザーでの開発には向いていません。
サイト管理におけるセキュリティにも配慮する為、あえて新規でアカウントを作るところから説明していきます。
まずはサーバーパネルを開きます。
次にFTPの項目にある「FTPアカウント設定」をクリックします。
ドメイン選択画面が表示されますので、該当するドメインを選択してください。
FTPアカウント設定画面が表示されます。
この時にはまだアカウントがありませんので
「現在、FTPユーザーIDはありません。」
と表示されています。
「FTPアカウント追加」のタブをクリックします。
対象ドメインのFTPアカウント新規追加フォームが表示されますので、必要事項を全て入力します。
接続先ディレクトリはそのアカウントでFTP接続した際にデフォルトで表示される階層を表しています。
最後に「確認画面へ進む」をクリックし確定させます。
エックスサーバーでのアカウント作成作業はここで一旦終了です。
2.SSHの利用を有効にする
WinSCPはSFTPというセキュリティ性の高い転送プロトコルが利用できるので、どうせならそのSFTPを利用できるように設定してみましょう。
このSFTPを利用する為にはSSHの設定を有効にする必要が有ります。
まずはサーバーパネルにあるアカウント項目から「SSH設定」を開きます。
次に「SSH設定」で状態をONにしてください。
なおSSHで接続する際にはポートは「22」ではなく「10022」となります。
これは後で必要となりますので、この数字を覚えておいてください。
3.FTPソフトの設定
次はFTPソフトに移ります。
まずは予めインストールしてあるWinSCPを開いてください。
下のような画面が表示されますので、その画面より「ツール」を開きます。
プルダウンメニューの中に「PuTTYgenを実行」の項目があると思いますので、そちらをクリックします。
この「PuTTYgen」とは公開鍵を作るソフトです。
PuTTYgenを起動させると下の画像の様な画面が表示されますので、
「Generate」をクリックします。
プログレスバーが表示されますので、マウスを動かしてください。
バーが進みます。
ジェネレートが完了すると下の様な画面に代わります。
何もせずそのまま赤線部分にある「Save private key」をクリックすると、
下の画像の様なダイアログが表示されるので、「はい」を押します。
ファイル保存の画面が表示されますので、わかりやすい名前を付けて保存します。
このファイルは後で使用するので、どこに保存したかを忘れないようにしておいてください。
画面内に記載されているやたらと長いハッシュ値が公開鍵です。
少し後で使うことになりますので、その時にコピーアンドペーストできるようこの画面はまだ閉じずにとっておいてください。
とりあえず、これで公開鍵が作成されました。
では次はいよいよ最後の設定です。
もう一度エックスサーバーのサーバーパネルに戻ります。
4.再度SSHの設定
先ほど設定した「SSH設定」の画面を再度開き、「公開鍵登録・更新」タブをクリックします。
下の画像のような画面になりますので、そこにPuTTYgenで作成した公開鍵をコピーアンドペーストで貼り付けます。
「確認画面へ進む」をクリックすると、
下の画像の様な確認画面が表示されますので、「登録する」をクリックしてください。
これでエックスサーバーでの設定は全て完了しました。
次は再度FTPソフトの設定に戻ります。
5.接続確認
再度WinSCPを開きます。
以下の数字の部分を全て入力します。
1.転送プロトコル | SFTPになっているかを確認 |
---|---|
2.FTPサーバー名(ホスト名) | ○○.xserver.jp |
3.SSHで接続するポート番号 | 10022 |
4.ユーザー名(アカウント名) | 先ほど作成したアカウント情報参照 |
5.パスワード | 先ほど作成したアカウント情報参照 |
これらの入力が完了したら「設定」をクリックします。
左側のツリー型メニューより「認証」を選択し、
右側項目内にある「秘密鍵」に先ほど保存したファイルを指定します。
最後に「OK」を押してください。
無事接続完了すると下の画像のように接続ダイアログが表示され、サーバーに接続されます。
エックスサーバーでの転送方法の流れ
今回FTPソフトはWinSCPで説明
- エックスサーバーでFTPアカウントを新規作成する
- SSHの利用を有効にする
- WinSCPでFTPソフトの設定
- エックスサーバーで再度SSHの設定
- WinSCPで接続確認
まとめ
今回はFTPソフトを使ってSFTP接続についての説明をさせていただきました。
エックスサーバーでSFTP接続をする際にはそのままで接続するとエラーが返ってきてしまいます。
さぁ今からレンタルサーバーにアップロードするぞ!
という場面になって、エラーの回避方法を知らないと困惑どころかやる気がなくなってしまうこともありますよね。
そうならない為にも是非この記事を読んでいただきたいと思います。
一度借りてしまえば頻繁に鞍替えするようなものではありませんので、レンタルサーバー毎の特色をよく理解し、自分の用途に合ったサーバーを探し出すことも必要です。
下記の記事で他社のレンタルサーバーについて、詳しく比較しています。
サバ